参加したくなるPTAとは

実は、このテーマをいただいた時、ちょっと残念に感じてしまいました。

だってPTAはP(親)とT(先生)の会なので、そもそも「参加している」ものだからです(任意団体だから参加しなくてもいい、という視点は、今日は置いておきます)。

でも現実は、P(親)の参加意識は様々で、面倒くさい、できれば避けたい、という考えを持っている人も多いと思います。

私も長男が小4になるまではPTAから逃げ回っていました。

しかしその後、本部役員をやることになり、視点がガラッと変わりました。

そんな私の経験を元に、どうしたら参加したくなるPTAを作れるか、考えてみたいと思います。

やってよかったPTA役員

私は息子二人の保護者として、小中高を通して10年間PTA役員をやりました。

小中学校では本部役員として活動し、会長職も務めました。

最初は渋々引き受けた役員でしたが、やってみるといいことだらけ!

頻繁に学校に行くので子どもの様子が知れるし、いろんな情報が入るし、地域のことも詳しくなる。

特に学校との関係性がガラッと変わりました。

それまでは子どもを預ける親&子どもを預かる先生、という、ちょっと離れた関係だったのが、先生方と手を取り合って、子どもたちのために何ができるかを考えるようになりました。

知り合いもたくさんできて、世界も広がり、なんか楽しいなー、やりがいがあるなーと感じはじめ、気づいたら10年が経っていました。

他の親たちも、最初は消極的だった人も、一年が終わる頃には役員をやってよかった、楽しかったと言う人が多かったです。

できる人ができる時にできることを

とはいえ、やはりPTAというと、親には負担が大きくネガティブなイメージがあります。

そんなイメージを払拭するために、私のPTAでは、まずは役員たちが楽しみ、その姿を見せるべく、授業参観の前の時間に親同士が交流する場を作って顔を出したり、独自のお便りを発行したりしました。

また、「できる人ができる時にできることを」というスローガンを掲げ、今まで役員がやっていた作業を一般保護者にお願いする「サポーター制度」を導入しました。

花壇の花植えやバザーの準備など、多くの手を必要とする作業でボランティアを募ると予想以上の参加があり、毎回あっという間に作業が終わっていました。

話を聴くと「役員をやっていないので、これくらいやらせてください」と、前向きな反応が多く、その後、残ってお茶しながら談笑するのも楽しみの一つのようでした。

その後、地元の小学校では児童減少の影響で、5つあった委員会を数年前に廃止し、親の手が必要な活動はボランティアを募ってやっているそうです。

思い切った撤廃に驚きましたが、それも一つのやり方かもしれません。

毎年、役員決めの時は皆さん戦々恐々とされると思いますが、皆が平等に役員をやる、というのは私は無理な話だと思っています。

それぞれ事情があって出来ない人もいるわけで、お互いを尊重してやれる人がやれることに取り組むのが、真の公平ではないかと個人的に思います。

キーワードは「楽しくつながる」

振り返ると、私のPTA活動では、親同士の出会いや交流の場を意識的に作ってきたと思います。

小学校では、懇親のためのお茶代を予算化して、古い用務員室を開放し、「ふれあいカフェ」という名前でボランティアの方に運営してもらいました。

前述した、参観の前や作業の後にちょっと一息つきながら、知り合いを作ったり親交を深めたりするのに多くの方が利用していました。

中学校では、仕事に復帰するなど忙しい親が多いので、日常の負担を極力減らしつつ、親同士が交流しながら子どもたちのために昼ご飯を提供するイベントを、秋の学校行事に合わせて行いました。

高校では、小中と比べて更に親同士や学校との関係が希薄になるので、子供との関わりについての意見交換会をワールドカフェという形で行ってみました。

親同士の交流のための企画でしたが、校長をはじめとする先生方もご参加くださり、学食での懇親会まで開催させていただきました。

「やらなきゃ」から「やりたい」へ

私にとってPTAは、自由で楽しい社会活動の場でした。

PTA活動を通して、そして自分の子育てを通して大切にしてきた言葉は、「大人が変われば子供が変わる。子どもが変われば未来が変わる。」

親が学校に関心を持つこと、親同士がつながって子どもたちのために楽しく活動することで、子どもたちも生き生きと育つと信じてやってました。

PTAは仕事でもないし、義務でもないし、ボランティア活動の一つだと思っています。

だからこそ、自分から「やりたい」「やります」と言いたくなるような活動になるように、工夫していく必要があります。

いかに楽しい場を作るか、を考えるのって楽しくないですか?私は楽しかったです^ ^ 

負担なく、楽しく、義務ではなく主体性を大切に、関われる場が作れると、参加しようかなと思う親も増えるのではと思います。

どうせやるなら、やりがいのある楽しい時間になるよう、PTAのことを前向きに考えてみると、見える世界がきっと変わりますよ。是非楽しんでください♪

新川紗世・元中学校教員
PTA活動を嫌がる教員も多いです。教員は、ただでさえ忙しい業務の中で、PTA活動が負担になっているからだと思います。会合など夜にあることも多いですし…
また、私も中学校教員として多くのPTAに関わる保護者と出会ってきましたが、実際は、前向きに活動をしてくださる保護者ばかりではありませんでした。
そのため、麻理さんのような保護者が増えたら、もっと学校もやりやすくなるように思います。
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