育休中の環境の変化
私は育休中の教員です。
長男の育休中に次男を出産したため、連続で育休を取得しました。
長男を出産して翌年くらいまでは、担当していた部活の試合の応援に行くなど、学校現場に度々顔を出していましたが、知っている生徒が卒業したり、共に働いていた同僚たちが他校に異動したりして、だんだんと学校現場に行く機会が少なくなりました。
一方、子どもが成長して歩けるようになると、支援センター(児童館)にお弁当を持参して通ったり、習い事などの活動に参加したりするようになり、子どもを介してのコミュニティや人間関係が生まれました。
支援センターや習い事の先生方、ママ友などです。
ママ友というと良くないイメージを持たれる方も多いかもしれませんが、私の場合はママ友付き合いを楽しんでいます。
今までの人生では出会わなかった職業や経験をされている方と出会うことができ、世の中には様々な生き方や価値観、家庭があるのだと感じます。
ママ友ではありませんが、育休中に大きく影響を受けた方が2人います。
1人は子どもの通っている自然教室の先生です。
その方は元小学校教員ですが「自然の中で、子どもたちとじっくりと向き合う教育がしたい」という信念のもと、教員を辞めて自然教室を立ち上げ運営しています。
立ち上げ当初は参加者数人、参加者ゼロの日もあり、1人で活動場所のゴミ拾いをして帰る日もあったそうですが、徐々にその考えに共感する仲間が増え、今では毎年30人近くの子どもたちが卒業していく大きな団体となっています。
もう1人は同じ学校で働いていた同僚の先生です。
その方も今は教員を退職し、教育改革団体や習慣化のオンラインを立ち上げ、運営しています。
教員時代もとてもパワフルでスピード感ある仕事ぶりでしたが、フリーランスとなりますます活躍の幅が広がっていて、近況を聞く度に刺激や学びをいただいています。
子育てを通して考える、人の生き方や在り方
このように学校現場から離れた時間を過ごしながら、さまざまな人生や価値観に出逢いました。
また、我が子という1人の生命が誕生し成長していく姿を24時間共に過ごし見つめていく中で、「人は何のために生まれて来るのだろう?」「自分の人生の時間とエネルギーを何に費やしていきたいのだろうか?」「幸せとはなにか?」など、人生の意味や目的を考えるようになりました。
そして、自分自身が夢や目標に向かって生き生きと輝いている方たちから影響を受けたように、自分の子どもたちにも、そのような大人が身近にいる環境の中で成長してほしい、という想いが生まれました。
我が子にとって1番身近な存在である自分は、果たしてそのような生き方ができているのだろうか…?
と子どもを通して自分の生き方について改めて考えるようになりました。
そこで、育児の合間に本やブログを読んだり、講演会やセミナーに参加したりして、自分の人生を改めていろいろな角度から見つめ直してみました。
これまでの人生で夢中になったこと、人から喜ばれること、時間があれば自然とやってしまうこと、苦手なこと、本当はやりたくないけれどやっていること…などなど。
そこで見えてきたものは「私は本当は絵を描きたいのではないか」ということです。
私は子どもの頃から絵を描くのが好きで、幼稚園の頃は絵描き屋さん、小学校の頃はイラストレーターになるのが夢でしたが、中学校に入り部活や勉強などに追われて段々と絵を描かなくなりました。
育児をしながら、自分の時間を作るには?
しかし、子どもの頃から好きだった絵をもう一度描こう!と思った時に壁にぶつかりました。
子育てをしながら、どのように制作時間を生み出すか?ということです。
当時は次男が1歳になる手前だったので、昼寝の時間やおんぶ紐でおんぶをしながら制作時間を確保しました。
段々と体力がついてくると昼寝をしない日もあり、制作時間の確保が難しくなってきました。
何も制作できない日があると「やっぱり私には無理だ…」「続かないということは強い熱意が私にはないんだ…」と落ち込むこともありましたが、「制作ができない日は10分だけでいいから参考資料を検索する」「週の1日平均で30分以上制作時間を確保する」など、代わりの目標を立てたり、目標を小さくしたりすることで継続していくことができました。
また、確実に制作時間を確保するために朝活を週1回から始めました。
早起きは大の苦手だったので、その週1回ですらできたりできなかったり…。
落ち込んだり立ち直ったりを繰り返していましたが、今ではこの朝活が習慣化し、朝を中心に制作することが1日のルーティンになりつつあります。
自分が好きなことから1日をスタートできたという充実感があり、また、眠気や1日の疲れに耐えながら夜作業するよりも、活動がはかどり効率が上がります。
新たに挑戦してみたいこと
絵を趣味で描いているという話をしていると、何度か制作の依頼をいただく機会がありました。
結婚式のウェルカムボードや似顔絵、ブログやワークショップに使うイラスト制作などです。
自分が描いた絵で喜んでくれる人がいる、誰かの力になれるという経験はとても励みになり、勇気づけられました。これまで一度も応募したことがなかった公募展にも出品をして、たくさんの方に直接作品を見ていただく機会を作ることができました。
このような経験をしていく中で、ただ趣味で描くのではなく、絵を描くことを仕事にしたい、失敗してもいいから一度挑戦してみたいという気持ちが芽生えてきました。
しかし、公務員という立場上副業は不可能ですし、きっと復職をしたら仕事と家事育児に追われて、趣味として絵を描く時間も気力もなくなるのだろうなと思います。
しかし、これだけ長く育休を取得しておいて退職したら、これまでいろいろ教えてくださった先輩方や周りの人からよく思われず、新たな挑戦も応援してもらえないのではないか…絵を仕事として始めても上手くいかないかもしれない…など、様々な思いが駆け巡ります。
「自分の人生は自分で決める」当たり前のことのようですが、周りからどう思われるか?という他人軸ばかりでこれまで物事を選択してきた自分にとって、これは大きな課題です。
心の声に耳を傾け、自分で選択することから逃げずに、今の自分にとってベストな決断をしたいと思っています。