教師である私が家族とどのようにかかわるか
今まで見てきたように、教師としての仮面をだんだんと取れるようになってきた私は、最近では、子どもの勉強は全く見ることがなくなりました。
妻が〇〇の単元の~~のやり方がわからへんって言ってるから教えてといってくれる時には、息子には確認してから分からないところまで戻って勉強を教えるようになりました。(単元を行き来できるのは教師の強みかもしれません笑)
また、基本的に子どもの学校生活についてもソフトタッチにもなってきています。(帰宅が遅くなっていることもありますが・・・)
でも、子どもが話してきたときには『すごいな』『挑戦したな』『勇気を出しててうれしいぞ』などのメッセージを伝えています。
最近長男が高学年になってきたことで、教師の仕事についても興味を持ってくれるようになってきたので、学級経営のことや職員室のことを話しながら、人生について子どもと対話することも楽しくなってきています。
最近私が思うのは、教師の経験を生かして子育てをどうするかということです。
ここで一つの答えが、『妻との協力』にあると思っています。
先日も息子が学校で友達から嫌なことをされて、泣いて帰ってきたときがあったそうです。
原因は帰り道に自分だけ置いていかれて、「みんな僕から逃げる」という訴えでした。
この時、妻は心を痛め、そして相手の子への怒りもこみあげていました。相手の子どもの批判や、親御さんの反発などもありました。
こう言うときに私は教師としての知識と経験を発揮できると思っています。
妻には、このような問題は集団生活の中ではよくあることで、我が子だけが特別でないことを伝えます。
そして、子ども同士のトラブルを子ども同士の個人間問題として見るだけでなく、集団の中でのトラブルとして捉えて、客観的な立場でいる教師に頼ることが大事だということを伝えています。
どうしても個人間のトラブルは事実が見えなくなってしまうことがあります。
それは当事者の子どもの親だと事実が見えなくなってしまうからです。
そこで教師は事実をとらえて生徒指導することができます。
こういう学校での動きを伝えて、学校に任せるという学校のスタンスを妻に伝えるようにしています。
最近、妻が私が教師であることの良い点を3つ挙げてくれました。
- 学校のリアルな現状が分かること(子どもの人間関係や教師の指導のスタンスなど)
- 教師はクラス全体の親とつながっていることを知れること(学校の先生に相談するのがいいこと)
- 教科のことをよく知っていること(勉強で困ったら聞けるし教え方がうまい)
なるほどと思いました。私が教員である強みを家庭で発揮するとなると、この3点は私自身も意識してきたことなので納得しました。
だからこそ親が子どもに伝えることは、子どもの言ってきた訴えをありのままに受け止めて「あなたはあなたのままでいい」と伝えることなのだと思います。
事実はわからないかもしれませんが、子どもが親に何か伝えてくれていること時点で有難いことだと考えて共感してあげればいいのだと思います。
そして、本当に子どもが困ったときに 助けてって言える親子の関係にあるのだと思います。このことは教師であるかどうかは全く関係なく親がやっていきたいことです。
親御さんもサポートが必要
私が子育てで悩んだように、親御さんたちも少なからず家族の問題を抱えていらっしゃいます。
我々教員はややもすると『親なんだからしっかりしないと』『親がしっかり見てもらわないと』と子どもの責任を親にすべて投げることがあります
しかし、親も子育てをしている一年生なのです。
どのように子どもとかかわり、友達関係をどうすればいいかと不安に思い、将来を案じていろいろなことを考えてしまいます。
だからこそ教師が、親御さんのサポートを含めて、親にしかできないことと学校でできることを伝え、一緒に子どもを育てていこうというスタンスを伝え続けることが必要だと思っています
そしてその時決して、親より教師の方が子どものことを分かっていると微塵にも思わないことが必要だと思います。
教師が知っているのはわずか数か月数年の子どもの姿です。親御さんにはかないません。
この親として悩まれ数十年育ててくださった努力があるから、我々の仕事できるのだということを忘れず 尊敬の念をもって親御さんとかかわる必要があると思います。
そして、教育のプロとして、子どもの成長を一緒に喜べるサポーターとして教師の役割を担っていく必要があると思っています。
皆さんは教師に期待することは何ですか。
皆さんの思ういい親とは何ですか。
一緒に考えてみたいです。
最後に、教師の子どもはいい子に育つのか。
私はこの専門性をもって子どもとかかわり、私自身が子育てとわが人生を楽しむことが『いい子』に育つコツなのかなと思っています。
親の子への最大のプレゼントは自分のいきいきとした背中を見せることなのだと思います。
私はどうしても事実関係を確かめることを第一にしてしまいがちですが、まずは子どもの心に寄り添ってあげることが大切なのですね。子どもが本当に困ったとき、駆け込める安全基地でありたいです。
また、必要ならば学校に助けを求めてもよいのだと、心強く思いました。日頃から先生とコミュニケーションをとって、いざという時に相談しやすい関係になっておきたいです。