教師が変われば、子どもは変わる。子どもの学ぶ力を信じてみませんか。

学校教育、家庭教育、地域教育など、「教育」と名がつくものはたくさんあります。

「教育」という言葉に対して、皆さんはどんなイメージをもっていますか。

私は、現在小学校教師として、教育に携わっています。

現場で過ごしていると、教育に対して、教師や保護者である大人が知っていることを子どもに教えこむ、というイメージが教師にも保護者の方にも子どもたちにも強く根付いていることを感じます。

教えこむ、というのは言葉が強いかもしれませんが、「大人が教えなければ子どもは育たない」という無意識の思いこみが、至るところに滲み出ているという印象です。

学校教育の現状

学校の授業風景と聞くと、黒板の前に立っている教師、綺麗に並んだ机と椅子、行儀よく座っている子どもたちが思い浮かびませんか。

現場では、「主体的で対話的で、深い学び」を目指し、日々授業研究が進められてます。

子どもたちのためによりよい授業、よりよい学びを目指して、先生たちは毎日、必死に取り組んでいます。

しかし、その多くの授業は、学校の授業風景という枠から出ることなく、やはり教師が主導する授業です。

やはり「大人が教えなければ、子どもは育たない」という無意識の思いこみは、随所に大きな影響を及ぼしているように思います。

16人の子どもたちが教えてくれたこと

5年前に複式学級がある学校に赴任しました。そして、5•6年生合わせて16人の複式学級を担任することになりました。

5年生と6年生が同じ学級で過ごす。私にとっては、未知の世界でした。

同じ学級といえど、学年は違うので、算数も国語もそれぞれの学年の内容を学びます。

ただし、担任は当然1人です。同教室内で黒板側で5年生が算数をし、背面黒板側で6年生が算数をするのですが、それを私1人で指導するのです。

今までの経験とギャップが激しく、初めは困り果てました。

2学年を同時並行して教師が授業を進める。それぞれの児童の実態を把握して見取る。的確な助言や支援をそれぞれにしながら、評価も行う。

そんなことはできるはずがありません。

私は、「私が教える」ことを諦めました。

そして、子どもたちが「自分で学ぶ」力を育て、自分たちで学びを進められるようにしようと決意しました。

どうすれば自分たちで授業が進められるようになるのか。

なぜ、今日の授業はうまくいったのか。または、うまくいかなかったのか。

何度も何度も、時間をかけて、子どもたちと私で話し合いました。

すぐには結果はでませんでした。出るかもわかりませんでした。

それでも、進み続けました。

1年後、5年生も、6年生も、自分たちで授業を成立させることができるようになりました。

学力自体も大きく伸びました。

最終的に、教師が教えない授業に対して、同僚からも、管理職からも、保護者の方からも、文句が出ることはありませんでした。

教師の役割とは

子どもは、教えなくても育ちます。

子ども自身に学ぶ力はあるのです。

子どもに必要なのは、自分自身で学べる「場」。

学び方を学ぶことができる「場」。

自分の学びを調整してくれる「場」。

教師の役割は、そのような「場」を整えることなのかもしれません。

それぞれの子どもが、それぞれの学び方を身につけ、自ら学んでいく力を身につけられるよう、「場」を整える。

決して、教師が「教える」のではなく、教師が子どもの学ぶ力を信じて「支える」。

そんな意識で子どもたちに関わっていくことがこれからの教師の役割なのではないでしょうか。

たえちゃん・公立小学校教諭
教えることをやめ、子どもたち自身の学ぶ力を信じ、場を整え、支える。とても素敵ですね。スクール型の机配置で、教師主導の一斉授業。はみ出した子は、毎日行き場のない学校生活を送る。子どもたちは、教師の指示を待ち、その通り動く。今でもそういう学級がたくさんあります。しかし、机の配置をアイランド型にするだけでも、子ども同士顔を見ながら、考えを共有し、深め、教え合い、主体的な学びの場になります。この記事のような考えの先生や、学級が増えることを願います。そして、教師は教える人ではなく、子どもの心に火を付ける人でありたいです。
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