「ご機嫌な学校」とは?
多くの子どもが、公立や私立、国立学校に通っている。
学校にはいくつかの種類があり、この他に「フリースクール」「デモクラティック(サドベリー)スクール」をご存じだろうか。
外国の新しい教育運動の流れを受け継いだ学校であり、「不登校」の子どもや、その学校独自の教育で学びたい子どもが通う学校である。
そこに通う子どもには学習権が保障されており、安心してのびのびと過ごすことができる環境や場所が整っている。
今年、愛媛県の南予地方で「愛媛にご機嫌な学校を作ろうプロジェクト」がスタートした。
前述のデモクラティックスクールや他県の特色ある学校の長所を融合させた「最も新しい学校」を創るというプロジェクトだ。
今年三月にメンバーで第一回目の打合せを行った。
当プロジェクトの目的・意義
私たちが掲げるこのプロジェクトの目的・意義は、
- 子どもの自殺者を無くし、彼らの孤独を減らす
- 子どもが自分で考え、実行し、課題点を改善し、主体性を身に付ける
- 地域の社会的問題を解消する(愛媛県南予の人口減少を解消する)
である。
この3点について、具体的なことやこう考えた背景は次のとおりである。
1. 子どもの自殺者を無くし、彼らの孤独を減らす
日本は、アメリカ、イギリス、中国など多くの先進国の中でも、自分を「責任ある社会の一員」や「社会や国を変えられる存在」だと感じている人が少なく(1)、自己肯定感が低い。
また自殺者の数が多いことにも私たちは疑問を持っており、これらの課題を解決したいという想いがある。
それから、このプロジェクトメンバーには子を持つ親もいて、子どもとの向き合い方を考えるようになってきた経験もある。
将来の「人財(社会の形成や発展にとって価値のある存在・財であるという意味)」である子どもが周囲から認められながら成長し、社会に貢献していくことができるよう、大人が支援していきたい。
2. 子どもが自分で考え、実行し、課題点を改善し、主体性を身に付ける
これは、「1. 子どもの自殺者を無くし、彼らの孤独を減らす」で挙げた課題を解決するためにも大切な目的である。
学校教育の視点から考えると、多くの学校現場では、教師が前に立って学習内容や知識を子どもに与え、子どもが座席に座り、それを聞き、覚えるというスタイルが続いている。
また、諸活動や家庭での学習においても、大人から内容ややり方などを指示され、「受け身」の姿勢となっている。
しかし、子どもの自己肯定感を高め、主体的に行動するためには、子どもに「自分で考え、決める」という自己決定権を与えることが大切である。
それから、机の上での学習だけで知識やスキルを習得しても、その学習の必要性を感じなければ効果は薄い。
「創る」ために「知る」学びへの転換(2)も必要である。
自分の興味関心のあることを体験したり実際に活動したりすることで、それを充実させるために必要な知識を子どもが自分で考え、知り、身に付けようという「主体的」な姿勢になる。
これにより、子どもが自ら課題を見つけ、それを改善しようと行動できるようになる。
3. 地域の社会的問題を解消する(愛媛県南予の人口減少を解消する)
私たちプロジェクトメンバーは地元愛媛が大好きで、地域の社会的問題を解決し、さらに盛り上げたいという想いがある。
地域の問題として、空き家や使われなくなった旅館やホテルなどの施設が増えつつある。
それと共に、南予地方の人口減少の問題も解決したい。
だから、学校、家庭、地域でつながりを持ち、「質の高い教育を多くの人に」「住み続けられるまちづくり」を目指している。
「最も新しい学校」を通した展望
大きな目的は子どもの「居場所づくり」である。
ほとんどの学校は、校則やルールが予め決まっている。一方で、校則や学校でのルール、どんなことをやりたいのかなどを、全て子ども主体で決めるようにしたいのが、私たちが考えている学校である。
子どもが自分で考え、行動するそばで、大人はその姿を見守る。
これにより、子どもは根強く育ち、その子の「個性」が輝く、世界で一つだけの花を咲かせることができるはずである。
また、現在、空き家や使われていない旅館、ホテルなどをリサーチしている。これらの施設は、教育活動の拠点や学校の寮、宿泊先として利用する。
また、地域の人口減少の問題の解消に繋げる役目もある。
そして、この学校では、大人の学びの機会も提供したい。
コミュニケーションの充実やビジネスの発展の可能性も視野に入れている。
例えば、ICT活用法やマーケティング、様々なビジネスの講座を開催し、親(大人)が地方でもできることを発展させることができるようにする。
これにより、親(大人)も子どもと共に学ぶ環境を作ることができると考えている。
私は、子どもが学ぶ環境や機会の幅が広がり、子どもに自分の「好き」や「個性」を活かした人生を送ってほしいと願っている。
当プロジェクトの活動と並行し、これから「ご機嫌な学校」の完成までの道のりを追っていく。
(2) 「未来の教室」プロジェクトについて(経済産業省サービス政策課 教育産業室)